『幻影の航海』ティム・パワーズ:私的な古本屋さん

投稿者: | 2010年11月6日
幻影の航海 (ハヤカワ文庫FT) 幻影の航海 (ハヤカワ文庫FT)
ティム・パワーズ,中村 融 早川書房
おすすめ平均 : 5つ星のうち5.0
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絶版や長期品切れで入手が難しくなっている本の中で、個人的に気に入っている本を紹介していくことを「私的な古本屋さん」とか名づけてみました。
でも真面目に紹介したりおすすめ文をかいたりするのも正直大変なので、多分かなりいい加減にやります。いやもう単にこのカテゴリーに書名を放り込むだけですませちゃうようなひどい時もきっとあります。全然期待しないでください。
つまりまあ「書評」というよりお気に入り「リスト」ですね。そういう感じです。

Amazonだけでなくスーパー源氏なんかでもちょっと検索してみるとこの『幻影の航海』古書で2000円弱から4000円程度になっていて、けっ こう高いですな。来年公開予定のパイレーツ・オブ・カリビアン新作の公式元本という情報が流れたせいなんでしょうか。パイレーツ・オブ・カリビアンのシ リーズはその底抜けのバカぶりが大好きでとても愛している娯楽映画シリーズですが、正直あそこまでの明るさやスカっとした割り切りを『幻影の航海』期待し てはいけません。この本はもう少し凝っています。楽しい海賊もの娯楽小説というより、史実としての海賊とブードゥーをぐっちゃんぐっちゃんに絡めた幻想小 説です。
なんというかファンタジーと呼ぶより「幻想小説」と呼ぶほうがしっくり来る、凝った、みっしりと嘘がまことしやかに詰まった名作です。
少なくとも数年後に読み返してもやっっぱり楽しめるだけの力があります。
私など、多分4回くらい読み返してますが「これを読んでいる間は楽しいよね」という期待を、今のところ裏切られたことはありません。