知り合いと会う迷子の夢

投稿者: | 2014年9月23日

電車一本乗り換えればすぐによく知っている場所にたどり着くと信じているが、どうもいくら待っても見知った行き先の電車が来ない。
非常に小さな、路面電車の停留所にもちかいような有り様だけれど、ホームに出る前に改札があり、料金表や切符売り場も狭いながらもちゃんとあるので、やっぱり駅。ホームにはそれなりににぎやかに人々が電車を待っている。明るくてにぎやかで、日差しもたっぷり。
ホームはもちろん片面のみ。線路の向こうには生い茂る樹々しか見えない。でもまあ、明るくて、爽やかではある。
そして、私はああ、なんだかまたやってしまったかな、と夢の中でも思っている。

少し前に、その時は電車ではなくバスだったが、ちょっと乗っていけば神田に着くと信じているが、とうてい「ちょっと乗って行く」程度では都市部になどつきそうもない山間部のバス停でバスを待っている、という迷子の夢を見たのだ。その時もバスを待っている人は10人近くもいて、おしゃべりの声もにぎやかで、やっぱり明るい日差しに照らされていた。
次のバスが近づいてくるのを遠く見やると舗装もない山道にほこりがえんえんと巻き上がっていて「いや、やっぱり神田の近くなんかじゃないな、多分」と悲しい気持ちになるという夢だった。

今回の夢の小さな小さな駅。実は駅長の自宅の一部が駅になっている。駅舎へ入っていく方の小径と駅長の家の庭の方へ行く小径は、ちょっとした小石で縁取られたへんてつもない土の道で、駅舎への入り口の直前でふた手に分かれている。
庭の方へ道なりに回り込みながら進んでみると、急に道の片側が崖と言いたくなるくらい深くさらに下の土地へ落ち込んでいて、駅舎(と駅長の家)が周囲からはかなり高い所にあることが分かる。崖の方から見下ろすと、アスファルト舗装された道やちょっとした市街地が下の方遠くにそれなりに広がっているらしい様子がわかる。ホームにはこれといった荷物も持たない軽装の年配の女性なども幾人もいたので、ここが「この街の駅」なんだろうとは思うが、なぜこんな不便なところにあるのかさっぱり分からない。だれもこの状態に不満は持っていないらしくもあるけれど。
庭木も花もほとんど全く無く、手入れが行き届いていない感じの少し雑草混じりの芝生だけが広がる庭で、これといって見るものもない。広くて、気持ちよく明るいけれど、何もない。
戻ろうとしてふと駅舎の裏にあたる辺りを見ると、壁に接するようにして、とても小さな池がある。周囲を小さな庭石で囲い、これまたごくごく小さな築山風の盛りもご丁寧に池に接して設けてある。興味をひかれて近づいてみると、その小さな池の中に、魚が一匹と小さな水鳥(多分アヒル)が一羽、腹を出して死んで浮かんでいる。それにも、当たり前だが、なんのへだてもなく明るく陽がさし、少なくとも私が立っている位置からでは臭いもせずあくまでも空気は爽やかだ。
「まあ、えてしてこういうところには実はいろいろあったりするものだよな」などと分かったような分からないような納得をしながら駅舎へ戻っていく。「すぐに知っている街に出られると信じていたが、どうやらまた迷ったんじゃないかなぁ」と思い始めながら。

すると駅舎に入ったところで、すぐあとからひとりの青年が「じゃーん!」とえらく派手なデザインのスニーカーを、わざわざ片足を高く挙げて見せつけながら入ってくる。何事かと足から顔へようやく目を移すと、知り合いだと分かる。
夢の中では知り合いということになっているけれど実はある若手芸能人で、現実の私の知り合いでは、全く無い。でも私はなんだかホッとしながら、スニーカーコレクターであるらしい彼と「なに、また買ったの?」などと話し始める。そして、多分どこかのタイミングで彼に、自分が行こうとしている場所へのどう乗り換えていけばいいか聞くことができるだろうな、と思っている。
スニーカーの話を続けていると、地元の小学生らしき集団がランドセルをしょって入ってきて、私にある質問をする。質問の内容は思い出せない。私が「駅長さんに聞きなよ。やさしいから教えてくれるでしょ?」と答えると、集団の中の一人の女の子がにっこりしながら「うんきっと。でもあなた駅長さんに会ったことないでしょ。」と言う。
言われてみれば確かにそうだ。駅長さんがやさしいというの事実らしいが、実は私は一度も本人に会ったことがない。
変な駅だな、とまた、ちょっと思う。

そういう夢だった。
迷子だけれど脱出の可能性がほのかに示されているというのは、これまで一度もなく、ちょっと珍しかった。

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