なぜメールマガジンの配信が滞っているのか

投稿者: | 2007年1月9日
メールマガジンを配信しないまま、ほぼ丸2ヶ月経ってしまいました。
あいまいなまま沈黙を続けているのもよろしくないでしょう、ということで、どうしてそういうことになっているのかについて書いた号外を出そうと年末年始書き始めてみました…実は落語を読んで寝ていただけではなかった (^^;
でも誤解を招かないようなうまい書き方がどうしても出来ず、次の配信予定日である1月10日までには多分間に合いそうもないということが分かってきたので、とりあえずここで「骨」だけ公開しておきます。

 

「テクニック」を書くことに疑問を感ずるようになった

「テクニック」に頼るのではなく、なぜそのテクニックが意味を持つのかをよく考えることの方がずっと重要です、ということをメールマガジンでは繰り返し主張してきました。
そういう意味では、(少なくとも私が考える)営業ということの基本についてはすでにじゅうぶんに書いた、という気がします。もちろんその「基本」と称する ものを実践に適用する場合のバリエーションは、これはもう相当な数があり得るわけで、その都度様々な「テクニック」を取り上げてそこから「基本」へ遡ると いうことはこれからもやれるかもしれません(これまでも基本的にはそういう書き方をしてきたつもりです)。
しかしながら自分自身が同じ主張を繰り返していくことに、いささか飽きてきたというのは正直な気持ちですし、また、上記のような書き方を続けていくために 今後も次々「テクニック」を書いていくことが本当に読んで下さる方々に益があるのか、という強い疑問も感ずるようになりました。
すこしお門違いかもしれませんがテクニックを書くことに対する拒否感は、ここ数年で爆発的に増えた「情報商材」と称する商売に対する嫌悪感とも関係してい ます。中にはきっと、本当に素晴らしいものもあるのだろうと思います。しかし決まって、まるでテンプレートから量産されたようにしか見えないその手の商品 を売るウェブサイトの酷似ぶりを見ていると、本当の誠意があるとはとても信じられません。繰り返しになりますが、本当は心から人の役に立とうと思っている ものもあるのかもしれませんが、そうであればそれを形で示す努力を怠るべきではあるまい、と思います。
私が伝えたいのがテクニックではなく考え方の基本なのであれば、それをもっとはっきり示す書き方を考え直してみなければならないでしょう。そう思うようになったのですが、その書き方がまだ見つけられません。
メールマガジンの配信が滞った理由のひとつは、このようなことです。

 

本は読むものだという意識

上記とは別に「やはり本は読むものであって、売り買いが主になるものではない」という意識がだんだんと強くなってきた、という私自身の変化もあります。
今でも本を「商品」として上手に流通させなければ読み手には結局届かない、という考えに変わりはありません。
しかし、本は読み手が実際にそれを読んだときに初めて価値を持つものである、という事実の方がやはり「重い」のではないかという意識が数年をかけてだんだんと強くなってきました。
一冊の本はつまるところ一冊のみで完結しているものではなく、非常に多くの他の本と暗黙にあるいは明示的につながりあっており、本を楽しむという本当の意 味はそういう関係性の把握も含むものだと思います。ツッコミを受ける覚悟で思いきって言うと、どんな素晴らしい本であっても一冊のみしか読まれなかったも のは単一の本という存在に過ぎず、文化ではない、と思います。
この側面が最近の出版業界では非常にないがしろにされているように思えます。
本を読む人にとっては、あの本よりこの本の方がお得なのか、勝っているのかを明確にしてあげることよりも、その本はどのような道へ誘ってくれるのかを示してあげることの方がずっと重要であるように、最近は、思います。
この点に関しては「それはいわゆる『文芸』には当てはまるかもしれないが、実用書のようなものには当てはまらず『本』の定義を狭くしすぎる恣意的なものだ」という批判もあるだろうと思います。
個人的には、ある特定のゲーム攻略本やコンピュータ関係の解説書などで「その先に何か非常に広い世界がある」と目を開かれる経験をしているので、必ずしも 全面的には同意出来ません。しかし、それも含めて堂々と「本は読むもの」論を展開出来るほどの自信は、まだ、ありません。
この点についてもっとよく考え、これまで行ったり述べたりしてきたことときちんとバランスを取る(というより、統合する)必要があるはずですが、それを メールマガジンに書いていくほど自分の中で消化出来ていない、というのがメールマガジンの配信が滞ったもうひとつの理由です。

 

皆さんにお詫びを

そんなわけで、実際に配信が再開されるまでにもう少し時間がかかるかもしれません。
あるいは、案外早く配信を再開するかもしれませんが、その内容が「迷走」するかもしれません。
いずれにしても今のうちにお詫びを、みなさんに。