横断歩道の写真ばかり撮っている。
実のところあまり意味はない、というか、ほとんど全く意味はない。
(ちなみに写真はご存知の、おそらく世界一有名な横断歩道の写真であるビートルズの『アビイ・ロード』のジャケット。なんか絵が欲しかっただけだが、測線なし横断歩道の話にも関係しなくもない)。
ブログに何かを書いて公開することがある種の習慣であるように、デジカメを持ち歩いて何かを撮るというのもその大部分は単なる習 慣だ。習慣にするためには、何か簡単でもいいから動機がないといけない。とはいえ「かっこいい写真を撮ろう」とか「面白いものを見かけたら撮ろう」などと いうのは抽象的すぎるし、かっこよさそうか、面白そうか、いちいち判断しなければならないのでどうせやがては面倒くさくなるに決まっている。
ほとんど判断しなくてよく、狭いジャンルに限定されていて、対象物候補が豊富にある、ということで横断歩道。
条件に当てはまるものは当然ながら他にもたくさんある。その中から横断歩道を選んだのは、ごくごく小さい理由による。
「昔は横断歩道には測線があって、梯子型に描かれていた」ということを知っている人も、ずいぶん少なくなったんだろうなぁ。いやそもそも、そういう変遷に ちゃんと気付いた人ってどのくらいいるんだろうか。などと、ある日ふと思った。横断歩道はしばしば描き直されるので、多分もう昔の梯子型横断歩道が残って いるところはないのではないかな。将来また横断歩道の描かれ方が変わる可能性もあるが、そうなると今とにかく適当にでも撮影しておくものが「昔はこうだっ た」という資料になるなぁ。などとも、思った。
それで横断歩道を対象にすることにした。
ちなみに測線付きの梯子型から今の測線なしの形に変わっていったのは平成4年(1992年)頃かららしいので、15年近く経っている。多分もう本当に梯子型横断歩道は残っていないんじゃないだろうか。
ちなみにほとんどの場合横断歩道の横線の幅は45センチで施工されるので、数えれば道路の幅がどのくらいあるか(私のように目測というものがさっぱりできない人間でも、計算することで)分かる、という無駄豆知識は、測線付き横断歩道のことを調べていて始めて知った。