つい先日も、自分が高校生である事を証明出来ないのでバスのチケットを売ってもらえない、という夢を見た。
もちろんいまやもう高校生ではあり得ないし、夢の中の自分も風体・言動からして明らかに高校生ではないのだが、とにかく学生証をもって来なければいけなかったのに忘れてきた。そのために、中距離のバスが出るターミナルの窓口でチケットを売ってもらえない。
窓口は午後のある一定時間になると閉まってしまうことになっているらしく、必要な人にチケットを売り終わったらいきなり窓口係をしていたオヤジ二人が売り場事務室の床で毛布をかぶって昼寝にとりかかる、という有様。気候も雰囲気も全く違うが、東南アジアを旅行したとき、リゾート地の売店で売り子がその場でいきなりごろごろ昼寝をしていたのを思い出すような光景だ。
本格的に眠り込もうとしてるチケット係に向かって、「その態度からすると、ほんとうに俺にはチケットを売る気が無いんだな? ええ?」などと声をかけているが、実のところそんなに怒っているわけでもなく、ほとんどぼやきのようなものだ。
とりあえずトイレにでも、と行って見ると、中程度の田舎町という雰囲気のくせに中東圏の服装の外国人がぞろぞろいたりする。そして男子トイレには、水タン クがわりに四角なペンキ缶が便器の上方にひとつひとつ針金で吊り下げてあり、そういうどうしようもない状態なのに明らかにわざわざ缶の色がひとつずつ変えてある、偶然ではなく、いちいち何色にしてみようかと選んで並べたことが分かる無駄な凝りようで目がちょっとチカチカする。
やれやれなんだかなぁ、と思いながら、本気で困っているのかいないのか分からない程度の困り具合で、次にどうしょうか考えている。そういう夢だった。
この夢自体はさほど面白くないし、他人の夢として聞かされる方はもっと面白くないだろうと思うが、この手の行き着かない旅の夢を見て目が覚めたときいつも、なんだが自分の本性が出てしまっている夢だなぁと思う。
あまり目的がはっきりしないままなんとなくさまよっていて、途中で変なものや面白そうなものを見つけるとそっちに興味がズレてしまう。ひょっとすると行動を始めたときには何か目的地があった(あるつもりだった)のかもしれないが、すでにその時には忘れてしまっていて、漠然とした不安と不満だけが軽い疲労がいつも体にまとわりついているような感じに心にわだかまっているだけ。
そんな人生なのかなぁ、自分の人生は、とつい考え込んでしまう類の夢なわけだ、これは。