FriendFeedがFacebookに買収されることが公表された日に上げるエントリとしてはなんとなくまぬけ感が漂うけれど、数日前から少しずつ書いてきたので、とりあえずこの辺で一旦出すことにする。
FriendFeedついてはこれまで「便利だけれどそれを直に使う気にはなかなかならない」などと何度か書いてきた。しかし最近、いくつかのことがきっかけで積極的にFriendFeedを使うようになった。まあ、言ってみれば態度が豹変したわけ。
最初は自分のウェブ上の行動が全部一カ所にまとめられる、そしてそれをまとめてはき出せる、というのが便利だな、としか思っていなかった。特に日本ではま だTwitterアカウントは持っていてもFriendFeedアカウントは持っていない人も多く、FriendFeed内でフォローする人を見つけるの も結構難しい、という状況だったし。(もっと言ってしまえばTwitter普及がまだ「おやあの人もやっと始めたのね」という段階なんだから FriendFeedにまで波及してくるはずもない)。
Imaginary friends機能
しかし、ある日FriendFeedにはImaginary friendsという機能があることに気付いた。(メ ニューを、「友達を表示/編集」から入り、友達一覧の画面の下に設定画面へのリンクがある)。設定画面へのリンクはなぜか日本語化されずに Imaginary friendsのままだけれど、設定画面にはいると「仮想の友達を作成」というボタンがでんっとあるので、一応公式日本語表現は「仮想の友達」なんだろう ということにしておく。
分かりやすい例から始めると、TwitterをやっていてFriendFeedはやっていない親しい人がいたら、仮想の友達機能で友達をつくり、そこにイ ンポートする外部サービスとしてその人のTwitterアカウントを指定してあげればいい。あたかもその人がFriendFeedのサービスも使っている かのように、他のアカウント一緒に表示できるようになる。
まあ、ここまではどうということもない。
その人がブログを持っていてそのブログをRSSリーダーなどでチェックしているとする。なら、今作った仮想の友達アカウントで読み込むサービスにそ の人のブログも追加してしまえばいい。その人がはてなブックマークを使っているなら…以下、FriendFeedが対応しているサービスなら何でも繰り返 し。
これでその人自身がFriendFeedを利用していなくても、あたかもその人自身がFriendFeedアカウントを持っていて、積極的に自分が利用し ているサービスを登録した、というような状態に限りなく近くなる。もうバラバラにRSSリーダーを読みに行ったりしなくていい。ただ自動更新される FriendFeedを見ていればその人のほぼ全行動が把握できるようになる。
でもここまでの状態も、ある意味予想範囲内で、便利にはなったけどそれ以上でもない。
Twitterの発言の全部
そういうことをやっていてふと気付いたのが「あれ? この人のTwitterでの発言、Twiiter上で見ているときよりFriendFeedで見ている時の方が多くない?」
そう、つまり、Twitter上でAさんをフォローして発言を見ている場合、Aさんはフォローしていても、自分はフォローしていないユーザーBへAさんが @Bでつぶやいたものは表示されない。しかし、FriendFeedにインポートされてくるのはそういうフィルタリング無しのAさんの全発言なので(この 状態を再現するためにはTwitterからログアウトしてそのままAさんのアカウントを見に行くと分かる)、場合によると自分も興味が持てる内容へのリン クやTwitterユーザーを新たに発見することが出来る可能性がある。
そもそも「友達とゆるく会話したいだけ」という目的でいくと上記のようなフィルタリングがあった方が受けとるメッセージも必要以上に多くならないし、雑音 も混じらないので、悪くない。ただし、友達の輪を広げたり、興味ある話題を自分の友達の範囲をこえて追ったり、ということにも興味はある、ということであ れば、意識してTwitterのパブリックタイムラインに検索をかけたり、友達のアカウントの情報でその人がフォローしているユーザーを意識的にチェック して回ったりしなければいけなくなる。
これは、正直ちょっと面倒くさい。面倒くさいので、結局はもとからある友達の輪の中にいい意味でも悪い意味でもぬるくとどまり続けることになる。でも、面倒くさくなかったら?
FriendFeed上で友達Aのつぶやき全部が見えていたら、その中には自分が知らないBさんへの興味深いつぶやきが自然と混じってきて、するとBさんというのはどういう人だろう、と簡単にリンクを辿ってチェックすることが出来るようになる。
ということで、たとえ友人AがTwiiterアカウントしか持っていなくてやり取りそのものはTwiiter上で十分完結するのだとしても、あえてその友人AをFriendFeedの仮想の友達にしてFriendFeed側で見ていた方が、もっと面白いわけだ。
本当の「仮想」
さて、ここまでは「仮想」とはいっても、すでにTwitterにアカウントを持っているというような意味では、あくまでも実在していて、ただFriendFeedのアカウントそのものは持っていないので「仮」ですよ、というような事例にすぎない。
で、ちょっと考えればすぐに気付くことだけれど「仮想の友達」はそういう特定の人に直接結びついていなくても作ることが出来る。
たとえばある特定のことに興味があって、そのことに関してCさんのブログとDさんのブログを毎日チェックしているというのなら、CさんのブログのRSSと DさんのブログのRSSを、FriendFeedの仮想の友達ひとつにまとめて登録してしまえばいい。そうするとその仮想の友達のタイムラインを見ている だけでCさんDさん両方のブログの更新が分かる。さらに、ある特定のことに興味がある場合は、誰かのブログを見に行くだけでなく、そのテーマではてなブッ クマークに絞り込み検索をかけたりしていることがよくある。じゃあ、そのRSSもこの同じアカウントに登録してしまえばいい。
ということで、実はFriendFeedはなんら実在の「人物」ではなくても、何らかのfeedを吐いているサービスであればなんでも取り込め、しかもどのように勝手にまぜこぜにしてもかまわないという、そこが行き着くところ。
コミュニケーション、更新通知、情報収集、そういうことがあまり努力や工夫をせずに一カ所で出来るようになるのがFriendFeedのサービスの力。
TwitterとFriendFeed両方のサービスを使い続ける意味はあるのか
私はTwitter以外はさほど更新頻度も高くないので、FriendFeedに登録したほとんど全てのサービスがTwitterに再投稿されるよ うに設定している。たとえば今まさに公開したこのブログも、FriendFeedに載るだけでなく自動的にTwitterにも投稿される。その他にわりと よく使っているのはtumblrで、これは自分自身の息抜きとして一日一回程度Flickrなどから動物(圧倒的に猫が多い)の写真をひたすら引用し続け ているが、これもFriendFeedを通じてTwitterにもリンクが投稿される。
私個人の使い方はそういう風だけれど、たとえばの話、毎日20枚も30枚も写真を撮ってはアップする人がいて、そのリンクが全部Twitterに流れてく ると、ちょっと鬱陶しいかもしれない。その人の写真が好きなら垂涎ものリンクだけれど、その人の写真以外の発言が見たいだけだったら、ちょっとうるさいか もしれない。
そういう場合には、FriendFeedでは全ての写真投稿が見られるけれどTwitterには流さない、というような使い方をしてもいいかもしれない。 FriendFeedのアカウントを購読する気がある人だけが、なんというか、全部入り豪華版のフィードを見て、そこまで要らない人はTwitterだけ 見てね、みたいな使い分けが出来るかもしれない。TwitterのアカウントとFriendFeedのアカウントを全然別の内容としたり、あるいは逆に完 全互換のものとしたりして使うのではなく、そういう風に含まれるボリュームで分けるというのもひとつのやり方だろうと思う。
また、FriendFeedでは特定の発言に、ブログにコメントをつけるような感覚でコメントが出来るようになっている、つまり元発言とそれに対す る他人も含めてのコメントが一カ所で把握できる。この辺はそもそもの設計思想からしてTwitterとは違い、どちらがいいとか悪いとかいう話ではないけ れど、特定の話題についてちょっと続けて話をしたいという場合にはTwitterで追いかけていくより楽なのは事実。
で、他人の発言をよく見ていると、上手な人は普通の発言は直接Twitterに投稿してそれをFriendFeedに反映させるというやり方にし、一方 「ちょっとこれは積極的にみんなの意見を募りたいぞ」というような時にはまずFriendFeedに投稿してそれをTwitterに反映させる、という逆 方向のことをして使い分けている。FriendFeedに最初に投稿してそれをTwitterに反映させると発言そのものにFriendFeedの個別発 言へのURLが自動的に添えられるので、Twitterを見ている人も簡単にFriendFeedに誘導できるわけだ。でも、普段なんら積極的なコメント を求める必要のない発言にまで常にURL付きでTwitterに投稿されるのは他人も自分も鬱陶しいから、普段はやらないということらしい。
これはなかなか賢い使い分けで、サービスを乗り換えてしまうのではなくTwitterとFriendFeed両方を同時並行で使い続ける積極的な意味を見つけたんだなこの人たちは、と思ったりする。
その他のちょっとした話
私のFriendFeedは(左のサイドバーにも出てますが)http://friendfeed.com/ikimono
FriendFeedのアカウントを持っている人は遠慮無く購読してください。あなたがどんな人かそれとなく分かれば私もあなたのフィードを購読するかもしれません。
なんというか、まあ、それを否定するつもりはないんですが、どんなことをしていてどんなことに興味を持っている人か全く分からないようにプロフィールも書 かないし(持っているかもしれない)ブログなど他のサービスもいっさい登録しない、全くの謎の人状態で購読してくる人とか結構います。Twitterで も、います。
本人があまりプライバシーを公開したくないという思いで行動しているのだろうということ自体は何ら反対しません。尊重します。ただ、謎の人を購読し返す (Twitterならフォローし返す)のは悩むんですよ。だって、自分にとってなんにも興味が持てない発言が流れてくるだけかもしれないわけですから。そ ういう状態なのに(自分の情報は全然明かしていないのに)なかなかフォローしてくれる人が増えないなぁという嘆きがつぶやかれていたりすると、いや、それ はやっぱり無理ですよ、とか思うわけです。
ほんのちょっとでいいので、手がかりになるようなことをよろしく。