なんだか歳をとったら、光が好きになった。
まあ特別なことではない。なんらかの障害を抱えていて光が苦手という人もいるだろうけれど、光が大嫌いだったり、明るい場所が大嫌いだったりする人は、そんなには多くないとは思う。
でも最近、以前にも増して暗い部屋などが嫌いになった。
とにかくカーテンを明けたり、電燈をつけたり、けっこうしまくるようになった。電気は節約すべきとは思う。原則同意する。でも自分が嫌な気分になってまで電燈を消して回ることを、これから死ぬまでしたいとも思わない。
なるほどこうやって老人はわがままになっていくのかとちょっと思った。
歳をとってきて眼が衰えてきたということもあるのだろうと思う。実際、それはきっとある。
単に明るいということだけではない。
太陽の光に照らされると自動的に嬉しい気持ちになる、ということもはっきりと意識するようになった。
ひなたぼっこの猫の気分だ。
猫の気持ちは本当は知らないが、要するに、そういう雰囲気だ。
もしかすると植物もそういう気分なのかもしれない。
この話には何ひとつオチはなくて、ここ数日ひさしぶりのひどい風邪にやられて寝込んでいたので、なんだかこのことをあらためて思い出しただけだ。