流れよわが涙、と警官は言った – フィリップ・K. ディック

投稿者: | 2005年12月20日
流れよわが涙、と警官は言った
フィリップ・K. ディック
ハヤカワ文庫 SF
ISBN:4150108072

ディック連続再読。
堂々たる傑作。
あまりにも整いすぎていてディックらしくないという意見や、SF 的アイディアの部分がいささか怪しいという批判もあることは承知しているけれど、ここまでしみじみと読ませる小説として成立していれば、そんな小さいこと にこだわる必要もないと思う。どうしてもジャンルわけしたいなら「ダークファンタジー」だとでも思っておけばいい。
ディックがジャンルの枠に収まりきらない見事な才能の持ち主だったことが証明されている作品。
五十代で亡くなってしまったのが、つくづく惜しい。