書店は昔から「声をかけない接客」だよね

投稿者: | 2012年8月12日

この記事が出てから数日間だけ、少し話題になっていた。

【近ごろ都に流行るもの】「声をかけない接客」 新しい売り方模索中 – MSN産経ニュース

すぐに思ったのが、書店は昔からずっとそうだよね、ということ。
その件についてちょっとまじめに書いてみようと思ったけれど、

  1. 夏バテ中で体力無さ過ぎて根気が続かない(超短縮すると「ダリー」)
  2. 書き始めてみるとなんだか当たり前すぎてもっともらしく言葉を振りまわすのはバカバカしくなった(超短縮すると「なにをいまさら」

だったので「こんなことを書くつもりだった」ということだけを書いて、終わりにしておく。
(申し添えておくと、【近ごろ都に流行るもの】記事に対してどうこう言おうという趣旨ではないので、誤解のないように)。

  • 書店には、楽しいことを求めてやってくる人も沢山いるけれど、不登校だとか離婚だとか家庭内暴力だとか、楽しくはないことについて知識を得たくてやってくる人も沢山いる。自分がどんな病気か(どんな病気かもしれないと思っているか)知られたくない人も来る。病気ではないけれどとても偏った趣味の持ち主も来る。「いい歳をして◯◯なんて」ということをあまり広くは知られたくないと思っている人だっている。
    だから書店では、どんなにお得意様であっても、その人が望んでいなければ「××さん、△△の新刊で◯◯入ってますよ!」と声をかけたりはしない。
  • 書店は、日本国民がプライベートでどんな興味関心を持とうが自由だ、という意味での自由と、それを誰にもとがめられずに購入できる自由の行使、という意味での自由、この二つの自由をはっきりと示している場所だ。
    書店員は(一見)無愛想で特に難しいことはしていないように見えるかもしれないし、書店という場所は何気なく本と雑誌という似たような形のものが山のように置かれているだけで何もすごいことは起こっているようには思えないかもしれない。
    でもそこでは、とても大切なことが、毎日起こっている。
  • 昔、袋に無差別に入れている広告はがきに対してクレームが来たことがある。「これは私に対する嫌味、嫌がらせなのか?」という。結婚相談の広告だった。もちろん、無差別に、しかも事前に入れてあるものだからそんなことは絶対にない。
    ただ、この時、書店は出来るならこういう広告を許容すべきではないと思った。それを言い出すと、おそらくほとんどあらゆる広告が許容できなくなるのだけれど、それでもいいと思った。
    単に非常に多くの、広い年代層の客が訪れる場所だという広告的発想に肩入れしては、書店として何かを失うことになるんだと思った。今でもそう思っている。

まあ、そんなようなことを、もう少し丁寧な文章で、論理矛盾ができるだけ無いように書こうと思ったんだけどね、という話。