コスト削減を単なる美談にしていいのかな

投稿者: | 2009年2月16日
見積もり2億円のIP電話を820万円で構築した秋田県大館市から学べること:ITpro
コスト削減のために市職員が自主的に努力した美談、という視点で書かれていると思うが、私にはとても違和感がある。
当初の2億円という見積金額そのものが妥当だったのかどうかはひとまず置くとしても、職員たちが残業代なしで働いたことをコスト削減したということに含めてはいけないだろうと思う。

ケーブルも職員が自分たちで敷設した。セキュリティ確保のため,既存の業務系LANとは別にケーブルを用意することにした。中村氏のほか,総務課の 職員など5人で庁舎内にIP電話用のケーブルを敷いた。本来の業務をこなしながらのため,就業時間外や土日などを使い,ケーブルを敷設した。
見積もり2億円のIP電話を820万円で構築した秋田県大館市から学べること:ITpro

引用部分の文章にはその分の残業代が支払われなかったとは書かれていないが「終業時間外や」という表現などはそのように強く感じさせてしまう。実際 には残業代や休日出勤の手当は正当に支払われたのかもしれないが、記事全体がそうではなく思わせる方向に微妙にねじれている。記事の後半にも以下のような 文章がある。

大館市では職員が自らシステムを作り上げたが,もちろんすべてを自分たちの手でやらなくともいい。鹿児島県 屋久島町では「ベンダーに数千万円の費用がかかると言われたホームページのシステム化(CMS導入)を,島内の中学校教諭の配偶者の方に依頼したら100 万円で実現できた」(屋久島町 副町長 日高典孝氏)という
見積もり2億円のIP電話を820万円で構築した秋田県大館市から学べること:ITpro

これなども、大変結構だがある意味一私人に頼めば安いのは当たり前だろう? というだけの話で、ベンダーが一方的に悪者扱いされているけれどそういう風に単純化してはいけないと思う。その個人が病気や事故など何らかの不可抗力でメ ンテナンスを続けられなくなったらどうするの?
どんなことでもコストが低いのが正義で、ITはしばしばその実現を助けてくれる正義の味方だ、という美談論調は嫌いだ。