ブラウザ提供元がなにか言っている

投稿者: | 2018年4月15日

また風邪をひいてしまって具合が悪い。
まとめる気力がないので、ほぼまちがいなく尻切れトンボというか竜頭蛇尾というか、そういう文章になる。
まあ、いい。

ブラウザベンダーが自身が作っているブラウザ機能をどうするかは、もちろん彼らの自由だ。そのポリシーが受け入れられれば、あるいは、ポリシーなんて多分多くの人にとってはどうでもよくて、そのブラウザで便利だと思う点が不満に思う点を上回っていれば使ってもらえるし、逆なら見捨てられる。それだけのことだし、これまでも基本的にはずっとそうだった。
ブラウザは互いに自分がライバルより便利で速いとか、あるいは多機能だったり、先進的だったりするから、自分を使うようにと言って、競争し続けてきた。そのためにいろいろな主張をするし、昔も今も、データ数値や画像で露骨に比較告知をしたりもしてきた。

よろしい。
今もそこに変わりはない。

ところでここ数年、どのブラウザベンダーも、セキュリティや個人情報保護などがとくに目立つキーワードではあるけれど、インターネットはどうあるべきか、ということについてずいぶん多く主張するようになった。
AppleのSafariが個人情報を追跡する仕組みに対してけっこうはっきりとNoと言いはじめたり、(個人的には意外だったが)GoogleのChromeが将来目に余る広告を遮断すると言い始めたり、というあたりからそんなにおいがしていた。Mozillaはずっと以前から健全でユーザー第一のWebという主張を掲げていたのは事実なので「Firefoxも…」と、ここで言うのはいささか不当だということにはなる。
今インターネットかくあるべしを非常に熱心に主張しているのは新興ブラウザVivaldiだろうと思う。最近では公式サイトブログでブラウザそのもののアップデート告知や利活用記事と、ネットかくあるべし的なテーマの記事が半々にもなろうかという勢いで、主張するブラウザベンダーと呼びたくなるような有様だ。
Operaは今や親会社が中国企業なので、一部の人からはそもそも信頼がおけないブラウザという強い偏見で見られているが、実はデータマイニングのスクリプトをブロックする機能をブラウザそのものに組み込んだり、最近はVivaldiに同じように公式サイトブログでセキュリティ関係の記事が多くなる傾向があったりと、やはり似たような動きを見せている。

そしてご存知の通り、Facebookのザッカーバーグが公聴会に呼び出しを食らうというような出来事をみていると、まあ世の中の動きはそっちの方へ進んでいるから当然だよね、という気持ちになりは、する。
無料で何かを使わせるために、個人のプライバシーをガソリンをがぶ飲みする車に食らわせるように流し込むことを求めるという姿が、健全だとはたしかに思わない。
(まるで悪魔との取引がどうせ今の生活に影響はないからと死後の魂の提供を約束させるように、など言うと、いささか強く偏見を植え付けようとしすぎるだろう。けれど、一見今の生活に支障がないというあたりが、嫌な感じに似ているのは否定できない)。

さて。
どうしても最初に違和感を感ずるのは、やはりGoogleだ。インターネット上の膨大で詳細な人々の行動記録こそがGoogleにとって大事なのではないのか。スマートフォンが普及して、人々がインターネットをブラウザから使わなくなり、以前ほど人々の行動記録が取れなくなっていることに密かに危機感をつのらせているのが本当のところではないのか。
そしてGoogleのことを思うと次に、他のブラウザベンダーにしても、検索エンジンの利用に対して何らかの対価を得る契約をしているのは今も事実なはずのだが…というようなことを考え始める。
なにがどこにカチッとはまって納得できる形になるのか、微妙な気分になってくる。

まあもちろん世の中きちんと納得できる形になるものなどまずないし、そんなことを人間に期待するのも無理だというのもわかってはいる。
肩をすくめて済ませたいんだが…どうかなぁ…それはよくないだろうなぁ。